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アーカイヴで紹介できなかったおしごとや、
ふと思い出したものなどをランダムにご紹介いたします。
その他よくあるブログぽく、くちはばったいこととかも
書くかもしれません。

2008年5月23日(金曜日)

魔法(プログラム)使い見習い

カテゴリー: - poltern @ 11時29分51秒

すごい面白い本できました。

デバッグではじめるCプログラミング


えと、あいかわらず装幀やってるわりに中身については難しくてわからないのですけど、
Cのプログラミングを覚えるのに、間違えたり、間違いの意味を自分で考えたり、
泣きながらデバッグしたりしてその「考え方」を身につけるプロセスを追体験できる本。
言うとかんたんそうですけど、書籍として成立させるのは難しい企画ですよね。
もしかしたらわたしもこれでCが少しわかるようになるかも。

そんなわけで本の内容的にもしかけ盛り沢山なのですけど、
本文の設計も盛り沢山な感じです。すみませんありがとうございます、こんなにやらせて戴いて。
その上、本文イラストも描かせて戴きました。久しぶり。こんなに点数描いたのはじめてかも。

プログラムは魔法みたいなものと言われてほほう、と思いました。
そして企画の段階で、本書を進行するキャラクタ「見習い魔法使いのイーノくん」という子が
すでに設定されていましたので、イーノくんシリーズを描きました。
こんな子です。(設定画)。

おっス!おらイーノ。

ほんとに楽しかった。デザイナー冥利に尽きます。手に取った皆さんにも楽しく面白くありますように。


キングキラー・クロニクル3部作

パトリック・ロスファスさんという人の、ものすごい長編3部作のうちの第一部上中下が
もうすぐ書店に並びます。
はい、全部で9冊ってことですねー。果てしない!

「風の名前」(上)

「風の名前」(中)

「風の名前」(下)


なにより、諏訪原さんの絵がこの後も6点も見られるのかと思うと楽しみ。
ラフを戴いた時点で「うわー、かっこいい」とため息です。
訳者の山形さんとか、ファンの人ばっかり。しばらく楽しみだなー。

これも盟友の編集さんなので、見えるところ見えないところ、本文設計も含めてしかけだらけです。
お楽しみにー。


2008年5月22日(木曜日)

MACOTOせんせい

カテゴリー: - poltern @ 00時57分08秒

「少女ロマンス」高橋真琴・カバー

PARCO出版、高橋真琴先生の「少女ロマンス」。初版は99年でした。
先生のギャラリーに伺って古い原画を見せて戴いたり。お昼ごはん戴いたり。
その後m着々と版を重ねてらしたのですが、
今回7版でひさしぶりにオビをかけかえました。

「少女ロマンス」オビかけかえ

最近気に入ってる、シープスキンの80kgで「うっすら透け」です。
ほかのおしごとでもいろいろ使わせて戴いてます。別丁トビラとか。
シープスキン80kgで透けてたらポルター、みたいな。

下のレースは、先生の作品から拾ってトレス。先生の描き込みは細かいです。
小さいレースすべてにシャドウが描き込んであったり。
あと、先生入魂の「指先のほんのりピンク」。
オビ幅のラフ案で、あえてここをカバーしてうっすら透ける案も出したのですが、
先生からしっかり見せるようにお返事が。もちろんです、ここが入魂の一筆ですよね!

わたしはだらしない萌え絵みたいのばっかり描いてますが、
かなり先生の影響受けてるなーと自分では思っています。誰にもわからないと思いますけど(泣)。


2007年12月8日(土曜日)

その他かけあし

その他のトピックもまとめて。
ネット不通の言い訳ですとかツンデレ装幀とかはひとつ下のエントリーです。

○「乙女のパリ絵本」増刷決定しますた。
参加させて戴いている、コノハナブックスというレーベルの最初の本、
乙女のパリ絵本がおかげさまで増刷決定です。
http://poltern.jpn.org/modules/amaxoop2/article.php?lid=230

売り切れなどでご不便をおかけしましたが、アマゾンさんにちょこっと初版の在庫もあるみたいです。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4900901792/

増刷分について、デザイン的にちょこっと手を入れてます。書店で見かけたら確かめてみてくださいね。

○アイギークさんの新製品ラッシュとサイトリニューアル
アイギークさんは、今年はすごい新製品ラッシュでした。(アーカイヴをご参照ください)
それに伴って、永らく親しんだサイトをリニューアルしました。
http://www.igeekinc.com/
今回はデザインディレクションと設計に専念して、web製作チームの方にゆだねて
仕上げと実装をまたdaveさんにお任せしました。
やっぱりツンデレになってしまいました。
iPod風のスクロールいいなー。これはDaveさん作です。


2007年10月12日(金曜日)

乙女のパリ絵本

カテゴリー: - poltern @ 09時17分36秒

おともだちの「コノハナブックス」というレーベルに参加しています。
シリーズ第一弾は「乙女のパリ絵本」といいます。
やまだないとさんの描く架空の女の子「mimi」が
パリを旅した記録のような感じの写真絵本といいましょうか。

実に多くの方がかかわっていて、その集合体をチーム名、著者として
「mimi*sucre(ミミシュクル)」と称しています。
わたしも早い段階から関わらせていただいて、
本やレーベルの世界観を造本や装幀でどう表現しよう、と考えていました。
でも、パリ撮影組や取材組、グッズ制作組のみなさんと、
まさに旅するようにイメージがまとまって行きました。

わたしは造本部分を担当したので、おもいっきり造本に絞ってご紹介しますね。w

cover
こだわるところはこだわって、
POPなところはPOPに、
なにより「乙女」に、ということで
この落としどころに落ち着きました。
シュリンクしちゃうと、
本屋さんで中を見て戴けませんので。

ビニールかけ、カバーなし、オビ、本表紙は薄ボール上製、という仕様です。


hyoushi_haku
タイトルは赤金の箔です。上品すぎたかもしれません。


hyoushi_kiji
本表紙の柄。
実は、まず書籍と連動したグッズ(布製のもの、
ポーチやバッグ、服など)を制作するために
木之花さん描き起こしの柄で生地を染めました
(染めるっていうのかな)。
生地の仕上りが入稿直前に間に合ったので、
完成した生地を高画質スキャンして
NTほそおりに4C刷しました。
生地に染めた柄が織りによってゆがんだりデコボコしたりしたものを
さらにほそおりの型押しの上に刷っているのですが、意外にしっくり、布っぽく仕上がりました。


hanagire
花ぎれ。スピン2本入れてしまいました。

上製ですが薄ボールで、
見返しが紀州晒クラフトの69kgと薄いので
表紙の折り込みや背貼りがばれていたりして、
マニア的には楽しい感じです。


tobira
mimiです。すごくないとさんワールドだなーと
思います。
主役ですが、本のあちこちにこっそり現れます。
ネコもmimiなんです。ふたりともmimi。


honmon
基本的に本文の写真は木之花さん、ネームは
やまもとさんと編集チームさんにお任せして、
それ以外のところでかなり遊んでしまいました。
素材として、ヴィンテージの壁紙や
ポストカードなどをどっさりお借りしたので
嬉しくて狂ったようにアレンジして、
我に帰ってシックに収めたりしています。


betugami
センターの一折だけ用紙を替えて、
片ページギャラリーにしましたので、
うっすら透けています。
最初はしっかり透ける仕様も考えていたのですが
このくらい微妙なのもいいかもですね。


postcard
そして、表3をめくると付録。mimiからのおてがみです。


guide
これ、ガイドブックなのです。取材から編集、組版まで、
やまもとさんチームにお任せしました。
短時間だったにもかかわらず、かなりこだわり&しんせつな
ガイドになっています。
旅先で見て、すごく頼もしいという感じ。

こんな感じで、mimiは透かし絵みたいにこっそり現れて
自由にパリを旅するヒントを
あちこちに置いていってくれています。


h1
かなりオブジェ的に手触り感のある本に
仕上がっていますので、
ぜひ書店で手にとってみてくださいね。

konohana Books


2007年1月22日(月曜日)

ル・コルビュジエ




知人から「コルビュジエのすべての資料を網羅した作品集を作るので手伝って欲しい」と言われてから、
しばらくの企画会議を経て、最終的には
「全ての建築作品の設計資料、これまで公開されていなかった図面を含む約35,000点を
DVDに収録」という、壮大なシリーズになりました。
それまではコルビュジエ財団に保管され、マイクロフィルムでしか閲覧できず
ほとんど公開されなかったような図面までデジタル化
(ちなみにサイズが大きいものがありスキャナ対応できないので
人力で撮影してデジタル化しています)し、
可逆圧縮の新しい画像処理技術でDVDに収録、全16巻です。




プロジェクト全体の方向性が絞られたところで、全体設計に入りました。
まずはDVDのビュワープログラムのGUIの設計、パッケージの設計、
付帯書籍の設計、商品説明サイトの設計と、デザイン作業フルコースです。

コルビュジエですので、ここは気合を入れて
シンプルかつ破綻のない作りこみの設計がしたいところですね。
かなり絞り込んであります。
やはりぜひ「コルビュジエ・カラー」を反映させたかったので
建材用の見本を取り寄せて見せて戴きました。
グレーの諧調の設定が繊細で美しいので、デザイン全体にもグレーの諧調をイメージの中心にしています。

欧文はGill SansとHelvetica、和文は当時一般販売されていなかった独自書体をベースに
書き起こしも数点あります。

パッケージは発売単位の4冊を箱装、フランス他、海外現地製作を視野にいれて
版型や用紙などを設計し、結果かなり独自フォーマットになりました。
各冊にはそれぞれ台紙とDVDトレイ、貼り付ける形で解説原稿の冊子
(日仏英3カ国併記)で、背がフラットになる特殊な綴じになっています。




サイトも基本的にパッケージやDVDのGUIと連動したデザインです。

刊行記念ブックレット
第一巻刊行を記念し、各書店やブックフェアでの販促を主な目的に
ラ・ロッシュ、ジャン・ヌレ邸を特集したブックレットを作成しました。




書店流通を考えないということで、革背に箔押ししてボールをくるんだ表紙を貼る形の
かなり豪華な仕様です。見返しの用紙はぐびき。豪華ですね。w




このシリーズも残すところあと一集です。ほっとするような寂しいような。


イラスト原稿2-高橋真琴

カテゴリー: - poltern @ 03時43分20秒

おしごとを引き受けるまで、高橋真琴先生のイメージは失礼ながら
「こどもの頃に女の子が持っていた文具の絵を描いていた人」
「いわゆる"少女漫画"的な、瞳の中の星を発明した人」
というくらいしか存じ上げませんでした。そしてなんとなく女性と思っていました。

久しぶりに刊行される先生の作品集ということで、
かなりしっかりと打ち合わせし、担当全員で
「真琴画廊(先生のご自宅に併設されたギャラリー)」に伺ったりしました。

担当の方から「少なくとも一点はかならず、あなた好みの絵が絶対あるんですよっ!」と
言われていたのですが、本当でした!
ギャラリーに飾られた絵や原画を拝見しているときに、
一点の絵にくぎ付けになり、それからどんどんのめりこんでいったのです。
先生の絵は「高橋真琴的」な皆の描くイメージを常に高次元でクリアしつつ
実はかなりバリエーションが広いことに、そのとき初めて気が付かされました。



「少女ロマンス」の表紙のイラストは4色分解なのですが、
マゼンタに蛍光ピンクを何%か混合し、分解バランスも調整してもらっています。
地色にも蛍Pがかなり混ざっていますので、マット二ス(後にマットP.Pに変更)でも
かなり目立つ表紙になりました。




「MACOTOのおひめさま」は、ちょっと豪華に箔押しです。
実はイラストの分解方法を失念してしまったのですが、おそらく「少女ロマンス」と
同じ仕様だったと思います。

このイラストの原画は、かなり褪色が進んでいました。
先生も大切に保管されているのですが、長い年月のうちにやはり
蛍光系のインクは褪色が進みます。
このイラストにはほんの少しカビも出ていました。
そのあたりを微妙に調整しつつ分解をお願いして、素敵な表紙になりました。


2007年1月16日(火曜日)

OOSシリーズ

カテゴリー: - poltern @ 06時31分53秒

Object Oriented SELECTIONシリーズです。今ではかなりの冊数が発行されています。
最先端の情報から、定番の教科書的な内容のものも入るということで
かなり絞り込んだストイックなシリーズデザインになりました。

こういう仕様ですと、冊数が増えた時にバリエーションが厳しくなってくるものですが、
このシリーズは順調です。
編集ご担当は、「戦友」と呼べるほどに永くお付き合い戴いていますが、
この方のイメージングが的確です。わたしにはかなり難しい内容が多いのですが
イメージ的に他とどう差別化するかといったことを
具体的なサンプルを挙げてご指示くださいます。

あと、デザイン的にかなり絞り込みましたが、仕様を緩めに設定しています。
基本は白地ですが、面積の広いこのスペースを利用して地色で差別化したり、
特殊な用紙を使ったり。タイトル型押しもありました。

息が長く棚に収まるジャンルのものですので、背から少し平に巻き込んだ形で
かなり印圧を上げたマットスミでしっかりと主張しています。

翔泳社のシリーズ紹介ページ


徳の起源

カテゴリー: - poltern @ 01時34分42秒

徳の起源―他人をおもいやる遺伝子
マット リドレー著, 古川 奈々子翻訳

「赤の女王」とセットで装禎のリニューアルをしました。
こちらは後ろ姿。後ろのほうがしっくり来る気がします。

3DCGブームが来る前から、もともとワイヤーフレームの表現が好きでした。
クラフトワークのPVとかの影響でしょうか。
ワイヤーフレーム上で破綻なく無駄なくミニマルで美しいモデリングをしておくと
実際の3DCGレンダリングの時も自然で美しいような気がします。
3D製作自体はそんなにのめりこんではいないのですけど。


2007年1月13日(土曜日)

赤の女王

カテゴリー: - poltern @ 19時09分35秒

赤の女王

翔泳社刊「赤の女王–性と人の進化」
マット・リドレー著 長谷川真理子訳

「徳の起源」とセットで装禎のリニューアルをしました。
とても面白い読み物でロングセラーのようです。

3Dのモデリングは、友人のデザイナー石田剛氏にお願いして
徹底的に希望の人体モデルを作りこみ、ポーズの検討で
ラフを数案作成した記憶があります。

また、自前の複雑テクスチャに凝っていた時期で
3Dモデリングに負けないくらい手間をかけて
2冊ぶんのテクスチャを作りこみました。


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