2月のよしなしごと
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年末から年始にかけて、活版印刷の具体的な状況をいろいろ調べていました。
おしごとで使う可能性があったからです。
今さらながら、印刷博物館の工房に伺ってお話を聞いたり。
印刷屋さんから、まだ動いていらっしゃる会社さんにお見積りをお願いしたり。
この業界に入ったころ、写植がだんだん流行りはじめている頃で、
1色の書籍はまだ活版が残っているような時代でしたので、少しは知っているつもりでいました。
改めて、活版で刷られた文字、特に明朝系やセリフ系欧文は美しいですね。
存在感が違います。
装幀において、最近は特殊仕様をなんとか実現する工夫をまとめたムックなどが
数多く出版されています。
最近では「コスト面で収まる特殊仕様」を特集していたり。
どの業界でもそうだと思いますが、最近はminとmaxが両極化していて、
中庸がないですね。
装幀で言うなら、ベストセラー狙いで広告宣伝費として
採算を度外視した特殊仕様で、棚を競い合う。
それ意外は最小限のコストで、特に工夫もなくコートにグロスP.P。
効率化を考えたら仕方ない傾向だとは思います。
出版の、書籍の造本などは、工夫次第でいくらでも中庸が実現できるジャンルだと思います。
蓄積されたノウハウと技術力がこんなに安価に提供されている業界はなかなかないと思います。
わたしもだんだん大人になってきましたので、今まで以上に現場の方のご苦労がわかるつもりではいますが、
それでもまだ水面下で努力をされてこの状態があるのだと思います。
あとは、中庸を積極的に攻めるモチベーションを高めるのが難しいですね。
わたしは、優秀な仲の良いご担当に恵まれて
ずいぶんとやんちゃなことを実現させて戴いてると思います。
「楽しみ」の裏にはかなりの「苦労」があります。
それをいとわずにチャレンジしてくださる方には、本当に頭が下がります。
わたしにできることは限られているので、一緒に制作するチームの方が
モチベーションを保てるような、そんな運び方をがんばろうと改めて思っている次第です。
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音楽の世界を少し覗かせて戴いています。
音楽のソフトはぜんぜん売れていないみたいですね。本よりもかなり状況は悪く、壊滅的な印象です。
あ、この話は長くなりそうなので、またの機会に(えー
わたしの参加しているバンドの、自前でコツコツ作ったDVDが、
アマゾンさんで扱って戴けるようになりました。
おともだちのレーベルのおかげです。ほんとにありがとう。
applehead 46-49(DVD)