ル・コルビュジエ
知人から「コルビュジエのすべての資料を網羅した作品集を作るので手伝って欲しい」と言われてから、
しばらくの企画会議を経て、最終的には
「全ての建築作品の設計資料、これまで公開されていなかった図面を含む約35,000点を
DVDに収録」という、壮大なシリーズになりました。
それまではコルビュジエ財団に保管され、マイクロフィルムでしか閲覧できず
ほとんど公開されなかったような図面までデジタル化
(ちなみにサイズが大きいものがありスキャナ対応できないので
人力で撮影してデジタル化しています)し、
可逆圧縮の新しい画像処理技術でDVDに収録、全16巻です。
プロジェクト全体の方向性が絞られたところで、全体設計に入りました。
まずはDVDのビュワープログラムのGUIの設計、パッケージの設計、
付帯書籍の設計、商品説明サイトの設計と、デザイン作業フルコースです。
コルビュジエですので、ここは気合を入れて
シンプルかつ破綻のない作りこみの設計がしたいところですね。
かなり絞り込んであります。
やはりぜひ「コルビュジエ・カラー」を反映させたかったので
建材用の見本を取り寄せて見せて戴きました。
グレーの諧調の設定が繊細で美しいので、デザイン全体にもグレーの諧調をイメージの中心にしています。
欧文はGill SansとHelvetica、和文は当時一般販売されていなかった独自書体をベースに
書き起こしも数点あります。
パッケージは発売単位の4冊を箱装、フランス他、海外現地製作を視野にいれて
版型や用紙などを設計し、結果かなり独自フォーマットになりました。
各冊にはそれぞれ台紙とDVDトレイ、貼り付ける形で解説原稿の冊子
(日仏英3カ国併記)で、背がフラットになる特殊な綴じになっています。
サイトも基本的にパッケージやDVDのGUIと連動したデザインです。
刊行記念ブックレット
第一巻刊行を記念し、各書店やブックフェアでの販促を主な目的に
ラ・ロッシュ、ジャン・ヌレ邸を特集したブックレットを作成しました。
書店流通を考えないということで、革背に箔押ししてボールをくるんだ表紙を貼る形の
かなり豪華な仕様です。見返しの用紙はぐびき。豪華ですね。w
このシリーズも残すところあと一集です。ほっとするような寂しいような。