イラスト原稿-「KISS」表紙-小池田マヤ
マツダオフィス時代から引き続いてしばらく、講談社漫画誌
「KISS」の表紙をお手伝いしていました。
「のだめ」が連載を開始するちょっと前くらいです。
途中でロゴや表紙フォーマットのリニューアルをしたりしつつ
毎月(途中から隔週)、たくさんの作品タイトルと著者名、
特集タイトルを飾ってイラストをトリミングする作業です。
わたしは週間発行物のおしごとをしたことがないので、
隔週ペースはかなりいっぱいいっぱいでした。
当時すでにDTP化は進んでいたのですが、実務的には
写植とDTP入稿が混在していて、
「KISS」も最初は版下、途中から"半分"デジタル入稿という流れでした。
毎号、巻頭漫画の作家さんから表紙用のカラーイラストの原稿が届くのですが、
ほぼアナログ原稿でした。紙にインクで描いてトレぺがかけてある。
懐かしいですね。
たいていはイラスト用のインクで描かれていて、
漫画誌表紙ですので蛍光系などの発色の良いインクの面積も多い。
基本的には4色+特2〜3色くらいで分解していました。
これがかなり鍛えられました。
定番セッティングみたいなものはあるのですが、
イラスト一点一点、分解の方向性と追加の特色を考えます。
とにかくメインキャラの肌の発色を稼ぐため、蛍光ピンク系が必ず1色。
画面構成によっては、まったく反対の要素で発色を稼ぐため、
限られた特色の中でのやりくりが厳しくなってきます。
途中からイラストも"半分"デジタル化して、CGと手書きのイラストを絡めるなどの
構成が増えたため、自ずと特色混みのカラー原稿の分解について
詳しくなりました。隔週でこれをやっていたので、だいぶノウハウがたまって
今ではありがたく思っています。
上の写真は、お手伝いした中でもいちばん気に入った号。
小池田マヤさんは当時の紙面ではモノクロのコマ漫画を連載されていたのですが、
表紙用に戴くカラーの原稿がとても綺麗でわたし好みでした。
この号のイラストは、特色的にはかなり難しい寒色系の蛍光が多い画面。
蛍光のグリーンとブルーが透明に抜けるように美しく、
なんとか再現したいとかなり悩んだ思い出があります。
印刷でもPC画面のJPGでも、あの原稿用紙の色は出ないなーと、今でも思います。
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